妊活、不妊治療の専門用語【か行】
妊活、不妊治療の専門用語【か行】です。妊活や不妊治療、検査などで使われる専門用語をあいうえお順、とアルファベットでまとめました。
妊活や不妊治療には、今までの生活では聞いたこともないような専門用語があります。僕自身もブログやインターネット、妊活雑誌を見ても意味が分からないこともありました。
特に、男性の場合、女性の体の仕組みや妊娠のプロセスもよくわかっていませんので、用語を知る事は大切です。
カウフマン療法・ホルモン療法
カウフマン療法は、月経不順や採卵後に、不足しているホルモンを補い、規則的な月経周期、排卵周期を取り戻すために、規則的な月経周期を人為的に作り出して、ホルモン欠落症状が起こらないようにする治療法。通常の低温期に当たる時期に、卵胞ホルモン(エストロゲン)を投与して、高温期に当たる時期に、卵胞ホルモンと黄体ホルモン(プロゲステロン)を投与します。
カリクレイン療法
男性不妊の薬物療法の一種で、精子の造精機能を高めるため代謝改善剤であるカリクレイン錠は1日に3錠から9錠を内服します。カリクレイン剤には血液循環を高める作用があり、精子の運動能力の改善に処方されます。
男性不妊で処方される薬は、カリクレインの他に、酵素剤のATP(アデホス)、コエンザイム Q10(ノイキノン)、ビタミン剤のビタミンB12(メチコバール)、葉酸(フォリアミン)、抗酸化剤のビタミンE(ユベラ)、ビタミンC(シナール)、グルタチオン(タチオン)、微量元素の亜鉛、セレン、カルニチン製剤のLカルニチン、アセチルLカルニチンがあります。その他にも漢方薬では「補中益気湯」「八味地黄丸」「牛車腎気丸」「柴胡加竜骨牡蛎湯」などがよく使われます。
カンジダ膣炎
女性なら誰にでも起きるポピュラーの病気の1つで、かゆみがあり白いチーズのようなおりものが特徴。感染症ですが「性感染症」とは異なり、性行為が全くなくても発症するのが特徴。妊娠、病気や疲労などでカラダの抵抗力が弱まると繁殖して炎症を起こします。
放っておくと外陰部まで炎症が起きることもあります。薬を服用するか膣座薬を入れて治療をすれば簡単に治ります。
基礎体温
女性が一番エネルギーを使っていない、寝ているだけの基礎代謝だけの体温のこと。寝ているときの体温を自力で毎日測定するのは不可能なので、目覚めた後、身体を動かす前の最も安静時の体温を測ります。女性の体温は、病気や重いストレスがあるときなどを除けば、ほぼ0.3~0.5度の間で周期的に変化しています。
基礎体温を毎日測定し記録し、体温の変化を計ることで、排卵の有無や月経の時期、妊娠しやすい時期など、身体の状態を把握することができます。月経周期開始から排卵までは低温相になり、排卵後は高温相をとなります。妊娠すると高温相の状態がずっと続きます。
奇形精子症
奇形精子症とは、精液の中の精子の96%以上で精子の形に異常がある場合をいい男性不妊の原因とされる。精子の奇形率というのは、精子の頭部が変形していたり、小さかったり、とんがっていたり、球形であったり、理想の精子の形と異なっている割合を指している
最近は精子奇形率とは言わず、正常形態精子率(正常な形をした精子の割合と言う意味です)が使われる。
特殊な染色液で射出精液中の精子を染めて形態を観察するクルーガーテストで、正常とされる精子が15%以上あれば自然妊娠も期待できるが、4%未満の場合は奇形精子症と診断される。不妊治療では、正常形態精子が4%未満の奇形精子症の場合、精子を選択し顕微授精(ICSI/イクシー)を行いますが、体外受精(IVF)から試みたり、年齢によっては人工授精(AIH)からスタートしたりすることも。
機能性不妊
夫婦ともに、不妊検査では異常がないのに妊娠出来ないこと。不妊で悩む方の1~2割が機能性不妊であると言われている。ただ機能性不妊は不妊原因が見落とされているだけで、腹腔鏡検査などの精密検査をすると原因が発見されることもある。原因が不明なままで効果的な治療がされず、タイミング療法のみで人工授精や体外受精へのステップアップを迷い時間が経過してしまうこともある。不妊の検査は施設によってどこまで行うか異なり、詳しく調べるところもあれば、簡単に済ませてしまう施設もある。実際に「腹腔鏡検査」等も精密検査をすれば、原因不明の不妊は10%程度以下になると考える医師も。
逆行性射精
逆行性射精とは、精液が外に射精できないで、膀胱に向かって逆流してしまうこと。精液が膣内に放出されないので、不妊の原因になる糖尿病や脊髄の損傷、特定の薬の副作用、経尿道的前立腺切除術後が原因として挙げられる。4割が糖尿病、そのほか疾患や手術といった割合とされている。
逆行性射精は、精液の一部だけが放出される「不完全逆行性射精」と、全く精液が放出されない「完全逆行性射精」がある。不完全逆行性射精の場合は「少し量が少ないだけ」と放置してしまう可能性がある。
プソイドエフェドリン、フェニレフリン、クロルフェニラミンなどの薬を服用することで、3割近い改善効果があるといわれるが、早期の妊娠を望む場合は、膀胱内の精子を回収して人工授精か体外受精、顕微授精を行なう。
クラミジア感染症
日本では感染者数が100万人以上と最も多いSTD(性感染症)の一つで、感染しても症状を感じにくく、気づかないままパートナーへうつしてしまうことがある。
女性の場合、不妊症や子宮外妊娠の原因となりますが、クラミジアに感染したからといって、すぐに不妊症になるわけではなく、放置すると子宮頚部から腹腔内へと進展し、子宮付属器炎や骨盤内炎症性疾患も発症する。しかし、無症状である場合が多く、卵管障害や卵管性不妊症が判明して、はじめて診断されるケースもある。不妊で受診して初めてクラミジア感染に気づく例もある。分娩時にクラミジアに感染していると、産道を通過するときに新生児に感染することがある。
クロミフェン
一般的に良く使用される、経口薬の「排卵誘発剤」のこと有名なクロミッドの他にも、セロフェン、オリフェン、フェミロンなどの製品名がある。視床下部の脳下垂体に働きかけ卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促す。
クロミフェンの効果は、排卵誘発率が70~80%程度となり、そのうち妊娠率は10~30%と考えられている。クロミフェンの副作用は、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の発症率は0.4~5%程度、双子などの多胎妊娠の確率は2~5%程度。
またクロミフェンには、数周期以上に渡り使用すると、頸管粘液の減少、子宮内膜が薄くなる副作用が起きることがある。
頸管性不妊
子宮頸管粘液の分泌が不十分な子宮頸管粘液の分泌不全、子宮内膜の炎症(クラミジア・HPVの感染や子宮内膜症など)、抗精子抗体の存在が原因の不妊。
子宮頸管に上記の症状がある場合、精子が卵管へ向かって上がっていくことができませんので受精できません。通常、膣内は菌の増殖を防ぐために酸性の状態になっていますが、精子を受け入れるためにアルカリ性である頸管粘液が分泌され精子が活発に動くように働きかけます。子宮頸管粘液の分泌量が十分でない場合、精子が子宮頸管を上がっていくことができません。抗体で精子を死滅させてしまう「抗精子抗体」と呼ばれるものを持っている方もいます。つまり、体内に入ってきた精子を異物とみなして攻撃してしまうということ。これも頸管性不妊と呼ばれ、子宮頚管性不妊症の一つ。子宮頸管粘液不全にはエストロゲンを増やすため、卵胞ホルモンの薬であるプレマリンを内服するほか、エストラダームという貼り薬を使う治療法などが一般的。他にも排卵誘発剤を注射し、卵胞を育ててエストロゲンの分泌を促す治療法もある。子宮頸管の炎症の場合は、抗生物質を用いた薬物療法で炎症を抑える治療となる。抗精子抗体の場合は抗精子抗体は変動するためもタイミング法や人工授精により妊娠することがあるが、年齢によっては体外受精を奨める場合が多い。
顕微授精(ICSI)
顕微授精は、男性不妊治療(無精子症、精子無力症)の治療法。顕微授精(ICSI)は、1個の精子を直接卵細胞質内に注入する事で、精子の運動率や形態に関係なく受精が成立する。体外受精では卵子に精子を振りかけて自然に受精するのを待つが、顕微授精は顕微鏡で見ながらピペットを使って卵子の中に直接精子を注入。今まで体外受精(IVF-ET)とでも妊娠が難しかった夫婦の画期的な方法として、現在では、顕微授精といえば、ほとんどが「ICSI(イクシー)」のことを指している。一般的に、人工授精や体外受精で妊娠できないカップルが、顕微授精へステップアップする。顕微授精はすべて自己負担となり、病院や処置内容によって異なるが、1回当たり30~50万円はかかる。
抗精子抗体
抗精子抗体が女性の体の中で作られてしまった場合に,不妊の原因になる。主に子宮頸管粘液で発生し、まれに子宮腔、卵管内、卵胞液内にも出現。特殊な例では男性の体内に発生することもある。
抗精子抗体は精子の運動能力を落とし停止させるが、抗精子抗体は受精の過程までが問題で、状況によっては自然妊娠も可能な場合もあるが、多くの場合。体外受精(IVF)などで妊娠可能。
抗精子抗体検査は5000円~10000円程で採血だけでわかりますが、結果判明に1~2週間かかることが多い。
高プロラクチン血症
プロラクチンは脳下垂体から分泌されるホルモンで、乳汁分泌ホルモンともいわれ、生殖、排卵、妊娠、授乳などと深い関係がある。授乳期に排卵を抑制し次の妊娠を抑えるのも、プロラクチンの働きによるもの。授乳期でないにもかかわらず何らかの原因で沢山分泌されるのが、高プロラクチン血症で、排卵障害や着床障害、流産の原因になることがある。ピル・胃潰瘍の薬・抗うつ剤・降圧剤などを長期間服用し、ホルモンバランスが乱れて高プロラクチン血症となる場合があります。ストレスがかかる事でプロラクチンが高くなることもあり、ストレス対策も大切とされます。
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不妊治療の病院
不妊治療は段階によって検査や治療も異なります。女性の場合は婦人科系で受診したり、不妊治療専門の病院やクリニックにはじめから行く場合もあります。
男性の場合、高度な不妊治療でない場合は、泌尿器科や総合病院でも精液検査を受けられます。
状況によってはセカンドオピニオンを選択する場合もあります。病院選びで不妊治療の過程や結果は大きく異なる場合もあります。
ネットや雑誌、ブログなどで情報を収集したり、各種セミナーなども参考にして慎重に選ぶことも大切です。
地域別の男性不妊の病院
下記で紹介しているのは、地域別の男性不妊の検査を受けられる病院やクリニックです。
高度な生殖医療設備があるところだけではありませんが、病院選びの参考までにご覧ください。
ネットや雑誌を参考に僕が調べた不妊治療や男性不妊の検査をしている病院です。その他にも多くの病院で行っていますので、随時追加・修正していきます。
妊活サプリ
検査で特に問題が見つからない場合や、妊活の初期段階だけでなく、妊娠しやすい体調を整えるために、妊活サプリも活用されています。
あくまで栄養補助的な位置づけですが、多くの方が利用していますので、必要な場合は自分にあった物を慎重に選びましょう。