妊活、不妊治療の専門用語【さ行】

妊活・不妊辞典妊活、不妊治療の専門用語【さ行】です。妊活や不妊治療、検査などで使われる専門用語をあいうえお順、とアルファベットでまとめました。
妊活や不妊治療には、今までの生活では聞いたこともないような専門用語があります。僕自身もブログやインターネット、妊活雑誌を見ても意味が分からないこともありました。
特に、男性の場合、女性の体の仕組みや妊娠のプロセスもよくわかっていませんので、用語を知る事は大切です。

採卵

体外受精(IVF)の際、卵巣内から卵子を取り出すことで採卵方法にも様々な方法があります。経膣超音波装置に筒のようなアタッチメントを取り付け、そのアタッチメントに採卵専用の針を差し込み、超音波でモニターしながら膣内に装置を挿入し卵胞液ごと卵を吸引します。時間は10~20分ほどです。
体外受精では成長した卵胞が必要になるため、排卵を促すためにhCGやGnRHアゴニスト製剤排卵誘発剤が使われます。
口から飲む「経口」と鼻に吹きかける「点鼻」、血液に直接入れる「注射」の3つの形式に分類されます。個人差はありますが、排卵誘発剤の注射hMG/rFSHでは痛みを伴う人もいます。
採卵できる卵の数は卵巣刺激の方法にも影響しますが、数個~10個程度のことが多いようです。通常採取した卵の全てに媒精(受精を促すこと)を試みます。

子宮

女性の膣の奥にある生殖器官で厚い筋肉の壁でできた袋状の構造をしている。幅が4cmから5cm程度となっていて、骨盤内に膣の上端とつながって存在する。子宮の上端部を子宮底、下部を子宮頸(部)と呼ぶ。通常は上下の大きさが6cmから8cm程度であるが妊娠すると40センチ近くにもなります。受精卵が着床するのは子宮底の場合が多い。
子宮の内膜を覆っているものを「子宮内膜」といい、月経開始から排卵後まで、順調に厚くなっていきます。そして妊娠が成立しないと周期には、子宮内膜が生理として剥がれ落ちるのです。子宮はデリケートな器官で「子宮筋腫」「子宮内膜症」「子宮内膜ポリープ」「子宮内膜ガン」など婦人科系の病気が知られています。

子宮筋腫

子宮の筋肉にできる良性の腫瘍(こぶ)です。筋腫は、子宮を作っている筋肉「平滑筋」の細胞が増えることでできます。初潮前や閉経後の子宮には、子宮筋腫が発現していないため、女性ホルモンであるエストロゲンが原因に関わっているのではないかと考えられています。
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、生命を脅かすものではありません。放置していると10kgを超えるような大きさまでになることもあります。子宮内膜にできる粘膜下筋腫と筋層内の筋腫は不妊の原因になりやすい。

子宮内膜症

原因不明の不妊症のうち、半分は子宮内膜症によるものとさえいわれています。不妊症の診察にいって、子宮内膜症が発見されることも多い。子宮内膜とよく似た組織が、卵巣や卵管など子宮以外の場所で、エストロゲンの作用によって増殖と剥離を繰り返す症状。進行して卵巣の中で子宮内膜症が増殖した場合には、卵巣の内部がチョコレート色の血液でいっぱいになるチョコレートのう腫になります。 さらに癒着が、卵管や卵巣、子宮だけではなく、膀胱や直腸、小腸など骨盤の中にある臓器全体に広がっていくと、月経時以外でも腰痛や下腹部の痛みがひどくなり、日常の生活にも支障をきたすようになります。子宮内膜症は、エストロゲンという女性ホルモンの影響で起こる病気なのでエストロゲンの働きを抑えてしまうのがホルモン療法も用いられます
腹腔鏡手術では、卵巣のチョコレートのう腫も、卵巣を残してのう腫だけを摘出することが可能になっています。開腹手術に比べて体の負担が少なく、回復が早いことが利点です。ただ、ふつうの手術でも腹腔鏡手術でも、卵巣や子宮を残せば再発の危険性は残されます。

子宮卵管造影(HSG)

子宮腔内に造影剤を注入し、子宮内部や卵管に異常がないか、主に卵管の通りが良いかを
X線で撮影する検査です。両方の卵管が閉塞していれば、通常の夫婦生活はもとより、人工授精を行っても妊娠できません。不妊検査では比較的初期に行われ、軽度の癒着ははがれてしまうともいわれ、通りが少し悪いような程度であれば、検査の後に妊娠する場合が多々あり、検査後3~6ヶ月を妊娠しやすい時期・ゴールデンタイムと言うこともあります。

射精不全

男性の性機能障害(勃起不全・成功障害・射精不全)のうちの1つで、挿入は出来ても途中で柔らかくなってしまうなどで女性の膣内に射精できない状態。中折れや遅漏ともいわれます。射精不全は思春期のマスターベーションによる影響や精神的な要因が大きいとされます。加齢による性欲の減少も影響しています。強いマスターベーションをやってきた場合は、行動療法で徐々に弱い刺激で射精できるように訓練したり、ヨヒンビンなどの薬物治療やEDとの関連がある場合はED治療薬を使用する場合もあります。

習慣流産

妊娠が成立したあと,続けて流産を3回以上の流産を繰り返す場合の事をいいます。2回流産を繰り返した場合は、不育症や反復流産とし治療の対象となる場合もあります.
流産を起こした原因を調べると,7割~8割が偶発的な染色体異常が原因で,育ちようがなかった場合のようです。しかし何回も繰り返す習慣流産の場合には,全てが偶発的な染色体異常であるとはいえないケースもあるようですが判断は非常に難しいとされています。

受精

精子と卵子と結びつくこと。男性から女性の膣内に射精された沢山の精子が、子宮口から子宮頸管→子宮→卵管と進んでいき、自然淘汰されながら卵子の細胞膜と透明帯を溶かして、排卵された卵子と最初に結びついた精子1個で受精卵となります。
一般的には、性交により女性の膣内に射精された数億個の精子は、受精までの過程で約99%は死滅し、卵管内に到達できる精子は100~200個とされています。あくまで数字上の事で鵜が排卵日に性交しても、1回あたりに卵子と精子が受精する確率は10〜20%となります。

女性ホルモン

女性ホルモン(じょせいほるもん)とは、性ホルモンのうち、女性の卵巣でつくられるエストロゲン(卵胞ホルモン)と黄体でつくられるプロゲステロン(黄体ホルモン)の総称である。

人工授精(AIH)

排卵日に精子を直接、子宮内に注入器で注入する方法です。一般的にはタイミング療法で妊娠しなかった場合に、次のステップとして考えられています。精子を排卵日の当日朝に採取し洗浄、濃縮し良好な精子を子宮に注入します。人工授精にはスイムアップ法、遠心分離法、精液静置法やパーコール法、精子洗浄濃縮法などがありますが、スイムアップ法が多くの病院で使われているようです。遠心分離法で選ばれた精子に培養液を加えて、上澄みに浮遊した良好な精子を採取する方法のスイムアップ法では精子の運動率を高める効果がありますが、精子の総数を減らしてしまうという欠点もあります。

精液検査

不妊の原因は男性にあることも多く、性機能障害や精子、精液の検査をすることもあります。精液検査には精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態などを調べる一般精液検査と、さらに詳しく調べる特殊な精液検査があります。
特殊な精子機能検査は、一般精液検査で問題があった場合などに、アクロビーズテスト、精子膨化試験、精子生存試験、抗精子抗体検査などを受ける事があります。
一般の精液検査は、泌尿器科や男性不妊クリニックなどでの採取室で行います。3日前後の禁欲期間の後に、マスターベーションで精液を採取します。病院、クリニック以外でも自宅で採取して、20~30度に保った状態で2時間以内にクリニックで検査すれば同様の結果が得られることが多いと言われています。
しかし、男性の精液は体調などによって大きな差異が出る事も多いので、数値の結果が一度悪くても、再度検査をしたら問題ない数値となることもあります。

精索静脈瘤

男性の睾丸上部に流れる静脈の異常肥大(こぶ)で、精子異常、精巣萎縮につながる。
男性の15%、男性不妊患者の20~40%に精索静脈瘤が認められ、古くから男性不妊の原因となる病気して知られています。
精索静脈瘤の98%は左側の陰嚢に発症し、自覚症状は陰嚢部の重圧感、不快感、鈍痛、陰嚢上部がミミズ腫れ・怒張・鬱血など。
精索静脈瘤は、睾丸上部に流れる静脈の血流障害でこぶができ、睾丸温度の上昇を引き起こし、精子を作る働きに悪影響をおよぼすといわれています。エコーで陰嚢の状態を確認した上で、医師が手で睾丸を触って診断が行われ、手術を行なうことで所見が改善される傾向がありますが、症例が変わらなかったという報告もあります。

精子無力症

精液検査で、複数回検査しても精子の運動率が低い状態で特に50%未満の場合、精子無力症と診断されます。WHOが2010年に改訂した精液所見の基準値では、精子の運動率は総運動率40%以上、前進運動精子32%以上とされています。自然妊娠しやすい精子濃度は1mLあたり4000万個以上、総運動率は50%以上とされています。精子は、鞭毛を動かし前進すますので、運動率の低さ、高速で前進して泳ぐ元気の良い精子の割合が低いと、妊娠しにくくなります。

先天的な原因の他、前立腺炎やおたふく風邪による精巣炎、高熱、精索静脈瘤、などが原因になっているケースもあります。また長期間の禁欲も精子の運動率を低下させます。
精子の運動率の改善が確実に望めるような効果的な治療法はありません。総運動率50%前後の軽度の精子無力症の場合、八味地黄丸、補中益気湯といった漢方やLカルニチン製剤、コエンザイムQ10などを用いた非ホルモン療法を試みながら定期的に精液検査を行い、改善しているかどうか様子をみる場合もあります。
明確な原因のない、中度や重度の精子無力症の場合には顕微授精(ICSI)は、有力な受精方法と言われています。

生殖補助医療技術(ART)

生殖補助医療(ART)は、(IVF)や顕微授精(ICSI)はじめとする、近年進歩した新たな不妊治療法で、生殖医療技術、高度生殖医療、生殖補助医療と呼ばれることもあります。
代表的なものでは、体外受精・胚移植(IVF-ET)は、未受精卵を体外に取り出し、精子と共存させる(媒精)受精卵を、数日間培養した後に、子宮に移植します。(胚移植)。
体外受精では受精が起こらない男性不妊の治療のため、卵子の中に細い針を用いて、精子を1匹だけ人工的に入れる治療法顕微授精(ICSI)。
その他、体外受精を行った時に、得られた胚を凍らせてとっておき、その胚をとかして移植することにより、身体に負担のかかる採卵を避けながら、効率的に妊娠の機会を増やすことができる凍結胚・融解移植や、「アシステッドハッチング」、「着床前診断」なども生殖補助医療技術となります。排卵前のタイミングで、精子を子宮内にカテーテルを用いて注入する治療法の人工授精(AIH、IUI)は、生殖補助医療技術とは区別されます。

セカンドオピニオン

直訳では第二の意見という意味ですが、治療の進行状況、次の段階の治療選択などについて、主治医とは違う医療機関の医師に「第2の意見」を求めることです。
がんや心臓病のように治療法が、日進月歩している領域では、治療法の選択肢が多岐にわたるため、専門家でさえどのような治療法にしたらその患者にとって一番いいのか、判断に困り他の医師に意見を求めることもあります。
不妊治療は、地域によって専門家も少ない場合もあり現状難しい面もありますが、医師によって治療方針が異なる場合もあります。セカンドオピニオンで治療の選択が広がる場合もあります。インフォームド・コンセント(説明と同意)を認識している医師は治療法を決定するのは患者や家族であることを十分に認識しているので、セカンドオピニオンにも理解があるとされます。

染色体異常

染色体とは、遺伝子情報が詰まった細胞の核ひとつひとつにあるもので、個々で異なります。通常23対46本あります。染色体異常は、ダウン症と呼ばれる21トリソミー(21番染色体が3本ある)、トリソミー(重複、3本組)、モノソミー(欠失)などの種類があります。妊娠の初期段階で着床が安定せずに起こる化学流産の原因ともされています。ダウン症は生存率の高い染色体異常ですが、染色体異常の多くは妊娠が継続できずに流れてしまいます。染色体異常は親から引き継いだものは少なく、生殖細胞の発生か受精卵発生の過程で生じることが多いと考えられています。母親が出産する年齢が上がるとともに21トリソミー発生リスクもあがり、30歳で1/952、35歳で1/400、40歳で1/106、45歳で1/30とのデータもあります。しかし染色体異常が起こる原因はわかっていません。
習慣流産の場合は3~8%に染色体異常が認められるというデータがありますが、一部ではその予防も可能が性的されていますが、治療法は、はっきりしたものがありません。

造精機能障害

精液中の精子の濃度が低い乏精子症、精液中に精子が存在しない無精子症、精子の運動率が50%未満と低い精子無力症など、精巣内で精子を造る機能に障害があるばあいをいいます。男性不妊の原因の約80%~90%は、造精機能障害ですが、その半分以上が原因不明です。原因が分かっている中で最も頻度が高い精索静脈瘤で36%程です

造精機能障害はその半数以上が原因不明で確立された予防法は少ないですが、喫煙や慢性的なアルコール摂取、サウナなどの高温環境が造精機能に悪影響を及ぼします。
又、男性不妊の専門医でも意見が分かれるところですが、精子濃度が1mlあたり300~500万個の場合、人工授精が可能と言われています。それ以下の場合でも生きている精子があれば顕微授精で妊娠出来る可能性があります。また、射精した精子の中に精子がいないなど無精子症と診断されても、精巣内の精子を取り出して顕微授精を行う事で妊娠が可能になっています。
また、乏精子症では薬物療法として、ビタミンB12(メチコバール)、 ビタミンE(ユベラ)、ビタミンC(シナール)、補中益気湯、八味地黄丸、牛車腎気丸、カリクレイン、コエンザイムQ10、亜鉛が有効な場合もありますが、すべての乏精子症に有効とは言いがたいのが現状です。

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不妊治療の病院

体外受精不妊治療は段階によって検査や治療も異なります。女性の場合は婦人科系で受診したり、不妊治療専門の病院やクリニックにはじめから行く場合もあります。
男性の場合、高度な不妊治療でない場合は、泌尿器科や総合病院でも精液検査を受けられます。
状況によってはセカンドオピニオンを選択する場合もあります。病院選びで不妊治療の過程や結果は大きく異なる場合もあります。
ネットや雑誌、ブログなどで情報を収集したり、各種セミナーなども参考にして慎重に選ぶことも大切です。

地域別の男性不妊の病院

下記で紹介しているのは、地域別の男性不妊の検査を受けられる病院やクリニックです。
高度な生殖医療設備があるところだけではありませんが、病院選びの参考までにご覧ください。

九州・沖縄の不妊治療できる病院

中国・四国地方で不妊治療の病院

近畿地方の病院

中部地方の病院で不妊治療

北陸の不妊治療病院

関東で不妊治療をしている病院

北海道・東北で不妊治療の病院

ネットや雑誌を参考に僕が調べた不妊治療や男性不妊の検査をしている病院です。その他にも多くの病院で行っていますので、随時追加・修正していきます。

妊活サプリ

ルイボスティ検査で特に問題が見つからない場合や、妊活の初期段階だけでなく、妊娠しやすい体調を整えるために、妊活サプリも活用されています。
あくまで栄養補助的な位置づけですが、多くの方が利用していますので、必要な場合は自分にあった物を慎重に選びましょう。

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