精子の運動率が男性不妊のカギ
男性不妊には様々な原因がありますが、これをすれば妊娠するという特効薬はありません。
煙草や不摂生な食生活、長風呂やサウナといった熱、など精子に悪影響を与える習慣を控える事は指摘されています。
近年は、無精子症と診断されても高度な生殖医療で妊娠できる可能性も増えてきていますが、費用面や精神面でも負担が大きい事も否めません。
日頃から出来る事をしていくことも大切な妊活の一環であると思います。
今回は、精子の運動率に良いとされている薬や成分などを考えてみたいと思います。
精液検査から始める
妊活のスタートでつまづくのは、男性が率先して精液検査をすることが少ない事も原因です。
女性が病院で、ホルモンや卵巣、卵管、子宮などの検査をしても、男性は、妙なプライド?や言い訳をして検査を先延ばしにするケースが多いのも時間ロスの原因です。
僕も、妻が泣きながら、子どもの事を相談してくるまで、なんとかなるさ~位に構えていました。
検査を受けて、対策をした僕からも、子どもを望む男性は、進んで検査を受けてほしいと思います。
一方で、精子に関しては、サプリメントや漢方で医学的に確実に向上するという治療法はない
という専門医が多いのも現状です。
男性の精子に問題がある、またはあるかもしれないといった時に、高度な医療を選択する前には、何から対策したら、どんな成分を摂ったら良いのでしょうか?
禁煙は必ず
薬やサプリメントを摂っても煙草を止めないと元も子もありません。もちろん、タバコを吸っていて子どもを授かる事もありますし、やめたからすぐ精子の運動率が良くなってすぐ妊娠するわけではありません。
しかし、タバコは百害あって一利なしです。ネットや妊活雑誌、専門医も必ず指摘するのが禁煙です。
僕も長年、ヘビースモーカーでしたが、禁煙外来で禁煙しました。
その他、精子を溜めすぎない、サウナは控えるなどしたほか、サプリメントを摂取したりしました。
ネットでも亜鉛などのサプリや精力剤のようなサプリを男性不妊に奨めるサイトもあるようですが、学界や論文データなどを調べると専門医で推奨されている成分は少し様子が異なるようでしたので紹介します。
男性不妊で使用される薬や漢方
男性不妊の専門医では、内科的な治療としてホルモン系の薬や漢方薬などを処方する場合もあります。
漢方薬として精子の運動率を改善するために
ビタミン剤として
などが知られています。
その他には、最近では様々な研究の中で、コエンザイムq10や亜鉛、セレン、カルニチンなどが精子の運動率を上げる成分として注目され、
男性不妊専門医の中にもこれらの成分を奨めるドクターも増えています。
コエンザイムq10
男性不妊症の乏精子症,精子無力症に対し薬物療法の一つとしてCo-Q10を 1日分15~ 30mgが目安とされています。これは、日本産科婦人科学会のサイトにも記載されています。
もともと、コエンザイムQ10は牛肉や鰯などにも含まれていますが、含有量が少なく、年齢と共に減少するために、日常生活でもサプリメント積極的に補う必要があります。
しかし、コエンザイムQ10は空気に触れる事で酸化し、体内で還元型に変換されることから、“酸化型”より“”還元型“が推奨されています。一方で還元型のコエンザイムQ10を摂っても吸収されなければその働きは発揮されないので
吸収率の高い水溶化コエンザイムも注目されています。
セレン
セレンには精子を形成する働きがあるという研究データもあります。それは、活発な精子にはセレンが多く含まれており、不活発な精子にはセレンが少ないという研究報告からきています。日常の食事では、鰯やネギ、牡蠣、玄米にも含まれるセレンは亜鉛やコエンザイムと同じように、精子にとって大切な栄養素だと考えられています。
カルニチン
L-カルニチンのサプリメントを摂取することで、精子の運動率を改善することも、いくつかの研究で確認されています。
最近は、ダイエットサプリで活躍するカルニチンですが、アミノ酸の一種として男性不妊対策にも注目されています。
臨床試験では1日当たり1~4gのカルニチンを3~6ヵ月間にわたって補給すると、 精子の濃度、精子数、運動精子のパーセンテージおよび高運動性精子のパーセンテージにプラスの影響を与えたことが発表されています。
亜鉛
亜鉛については、精液量は増えても、精子の造精機能には影響を与えないともいわれます。一方で、男性不妊の患者は、健常な男性に比べて、精液中の亜鉛濃度が有意に低いとの報告もあります。
亜鉛は抗酸化物質としても役割もありますので、亜鉛が不足すると、抗酸化力が落ちてしまい結果的に精子の質を落とす事になります。
成人男性12mgといわれる1日の推奨摂取量は通常の食事では不足しがちですので、必要に応じてサプリメントで補う事も大事です。
夫が男性不妊かな?という奥様に
奥様が検査を受けたり、生理も順調なのに、なかなか子どもに恵まれず、旦那さんに原因があるのかも?と思っていて、
旦那に切り出せないという方も多いです。
まず、奥様に知って頂きたいのは
「男は病院嫌い・薬嫌い・サプリが苦手」
という事です。
そして、
男は生殖器官に関して、妙なプライドがあります。
男のわがままですが、旦那に原因があるのでは?と思っても決して強い言葉や態度で接しないで、
優しい女性、弱い女性を演じてでも、男の妙なプライドを傷つけないで頂きたいと思います。
男は勝手なイキモノですが、奥様が自分より強い態度でいると、生殖機能はますます衰えます。
もし、旦那に問題があるのかも?と思っても、決して旦那さん側に問題があるという言い方をせずに
「二人のため」「私のため」と検査を受けて欲しい事を伝えましょう。
コエンザイムや亜鉛などのサプリメントも無理に飲ませても、逆にストレスを感じる事もあります。
普段の食事で摂れるものは摂って、不足しがちな物は、ドリンクやサプリメントで、妊活を前面に出さないで
デキる事がベターかもしれません。